第2章 名前呼び
「結婚。して…くれませんか…??」
おずおずと聞いてくる小柴さん。
「え?え?いや、そんな無理にしなくてもいいよ!」
きっと小柴さんのことだ。
春香に言われて「はやくしなきゃ」とか思ったに違いない。
春香のことだ、私が言われるの待ってるだとか、テキトーなことを吹き込んだんだろう。変な気が回る子だからw
「あのね、違うんだ」
違う。と言うと小柴さんが棚から何かを取り出してくる。
小さめの箱。
それは、よくテレビとかで見る、あの箱。
目の前でパカリと開いた箱の中には、小さく輝く指輪が入っていた。