第7章 癒やしがほしい
とても綺麗とは言えない見た目だったけど、涼はニコニコしながら美味しい美味しいと食べてくれた。
お風呂も入って、二人でソファに座ってテレビを見た。
まったりと時間が流れていく。
「あ‥もうこんな時間だ。涼、そろそろ寝ようか」
「んー?…そうだね」
気づけばもうすぐ日付が変わる時間。
二人でベッドに移動し、布団に入った。
いつものように、少し身体をくっつけて、布団の優しい温もりと共に意識を手放そうとすると、ぎゅっと抱きしめられた。
「涼?」
「伊織。僕ね、今日頑張ったよ」
「うん、そっか。お疲れ様」
「頑張ったんだよ」
「え?うん、お疲れ様だね」
「あのね、頭撫でてほしい」
「はい?」
「さっきみたいに」
「…」
「あー…疲れたなぁ。頭なでてくれる優しい奥さんがいたらなぁ」
「…」
「はー…こんなとき癒やしてくれる奥さんがいたらなぁ」
「…ぐー(寝たふり)」
「ちょっと?!」
「ぐー」
「伊織ってば」
「…なに?」
「おかしくない?」
「おかしくない。」
「なでてよ。撫でる流れだったでしょ?!」
「…ぐー(寝たふり)」
「伊織ってばぁ!」