第7章 癒やしがほしい
「さっきは撫でてくれたのに…」
「さっきのはアレだよ。なんか…その場の雰囲気で…」
「今も撫でるには最適な雰囲気だよ〜?」
頭を私の顔の前に持ってくる涼。
涼って、こんなに甘えん坊だった??
「涼、今日なんか変じゃない?」
「えー?」
変じゃないよ〜。というけど、やっぱり変だと思う。
疑いの目を涼に向け続けると、観念したように口を開いた。
「………だって、最近仕事が忙しくてさ。伊織と一緒にいる時間も減ってきたりして。その…」
「?」
「癒やしがほしいのっ!!!」
顔を赤くしてそう言う涼。
甘やかして欲しい気分ってことかな?
…まあ、いいか。
私自身、嫌じゃないしね。
「よしよし」
私がゆっくりと涼の頭をなでると、涼はふにゃっと笑って目を閉じた。
気持ちいい〜って時々つぶやいていたけど、その言葉はいつしか、穏やかな寝息となっていた。
「お疲れ様。涼」