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【 銀魂 】愛を教えてくれた人 ― R18 ―

第1章 消えない過去、消せない過去




お登勢が部屋に来るまでにそう時間はかからず、たまを連れて和室へと来ていた。


「一先ず傷の様子を見ないとね。とりあえず男共は部屋から出な。」

「んだよ、運べっつったり出てけっつったり。忙しいババアだな。」


銀時はブツブツ言いながらも新八と共に部屋を出た。
襖が閉められたのを確認すると、お登勢は女の着ている着物の襟をずらす。
女の身体を見たお登勢は銃痕の事も気になったが、それよりもずらした着物の隙間から見えた傷痕が気になった。


「すごい傷アルな…。」

「本当だよ。綺麗な子なのに勿体無いねぇ。」

「お登勢様、消毒液塗りましたよ。」


女の身体にある傷を気にしている間に、たまはサラのタオルに消毒液を付けてそれをお登勢に渡す。
ありがとね、と一言お礼を言い傷口の回りから拭いていく。


「…んんっ!うっ、あっ………。」

「痛いだろうけど我慢しな。後々もっと酷い事になっちまうよ。」


傷口に消毒液が染み意識が無くても痛みに反応する女。
お登勢は出来る限り優しく手当をし、表側と裏側の両方の消毒を済ました。


「これでとりあえずは大丈夫さね。たま、悪いけどそこにあるサラシと包帯を取っておくれ。」

「了解しました。」


着物では後日の手当てに困ると思い上半身だけ脱がしサラシを巻くことにした。
神楽にも手伝ってもらい未だ目を覚まさない女の身体を起こし着物をゆっくり腰の辺りまで下ろした。
そこでお登勢達の目に飛び込んで来たのは、さっき見た傷よりも遥かに酷い傷ばかりだった。


「…一体どうしたらこんな傷が出来るんだい。酷い有様だね。」

「これ、ちゃんと綺麗に消えるアルか?」

「新しい物は消えるかも知れないが、古いのはどうだろうね。」


無数に散らばる痛々しい無数の傷痕。
それは古傷からまだ真新しい傷まで様々だった。
お登勢はその傷を深刻な表現で見つめながらそっとサラシを巻き、左肩の銃痕部分に包帯を巻いた。


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