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【遙かなる時空の中で】綾織音色

第2章 平和の都へ



「瞳の色は閉じられていて分からないのですが、髪は金髪でした。しかも、男の子供で…。いかがなさいましょう?」

「……」


話を聞いていた頼久はどうしたものかと思案していると、黙っていた風早が口を開いた。


「気になっていたんだが、鬼だと何か問題でもあるのか?」

「鬼は災いをもたらすと言われているんだ。だから、人は鬼を嫌う」

「なるほど」


頷く風早に、藤姫が問う。


「鬼を御存じないのですか?」

「はい。話すと長いのですが、俺と沙霧は別の時空から来たので、この世界の事は知らないのです」

「別の時空から……」


藤姫は信じがたいように呟き、頼久もここまでの道でなんとなく察していたが目を少し開いて驚いた。
だが、今はその話をしている場合じゃない。
頼久は藤姫を見つめ、「いかがなさいましょう?」と主に意見を求める。
部下の二人も困ったように藤姫に視線を向ける。
三人から意見を求められ、戸惑った藤姫は「その者はまだその場所に?」と問い掛ける。


「いえ、さすがに目立つので、部屋に寝かせてますが、いつ目を覚ますか…」

「怪我でもしているのか?」

「していません。気を失っているだけです。会われますか?」

「そうだな……。藤姫、私はその者に会ってみたいと思います。よろしいでしょうか?」

「えぇ。私も行きます」





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