第2章 平和の都へ
「様子を見て参ります」
「お願い致します」
頼久が立ち部屋の入り口へと向かうと、足音が部屋の前で止まった。
「夜分遅くに申し訳ございません!若棟梁はいらっしゃいますか!?」
「ああ、どうした?」
「失礼ですが、開けてもよろしいでしょうか!?」
「構わない」
「失礼致します!」
部下の二人が息を切らして頼久を見る。
「騒がしいが、何かあったのか?」
「はい、…その、庭の池の側で人が倒れておりまして…」
「人が?なぜ、そのような場所に?」
「わかりません。…ですが……その…………」
二人は頼久に状況を説明していたが、途中から歯切れが悪そうにちらちらとお互いを見ながら、言おうか言うまいか悩んでいた。
頼久は怪訝そうに、話が聞こえていた沙霧達は首を傾げ、頼久は二人に先を促した。
「何だ。話せ」
「…は、はい。その倒れていた者が問題なのです」
「どういうことだ?」
「……その……どうやら鬼のようでして………」
「……鬼のよう?(またか…)」
先程自分も鬼だと思った者と対峙した為、この者達もかと内心溜め息が漏れる。
部下の二人は、少し怯えたようにしながらも続けた。