• テキストサイズ

君だけに届ける【VOICE】

第3章 初ステージ!?初ライブ!?


『わたし、そろそろダンスのレッスンに戻らないと』

「もうそんな時間ー?」

『そうです。さあ、出ますよ!』

えー、と言いながらも玄関に向かう。

「あ、そうだ」

わたしの前にいた下野さんがこちらを振り向く。

「俺、ライブ観に行くから」

『······は?』

「だーかーらー、一ヶ月後のライブ観に行くからって」

『なんでっ!?』

「可愛い後輩の成長を応援し、見届けるのが俺の役目だから?」

いや、そこを聞かれても····。

『どうやって!?』

「どうやって、って····ふっつーに」

『バレますよ!?』

大丈夫大丈夫、と手をひらひらとさせる。

「そこは····ほら、ちょっと頼み込んだから、ね?」

ね?って言われても·····。

『頼み込んだって、誰にですか?』

「それは····社長に」

『なにやってるんですか·····』


この大人は本当に、誰よりも子供だ。

その証拠に、またそうやって無邪気に笑う。
/ 42ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp