第3章 初ステージ!?初ライブ!?
着替えを終え、外に出る。
「ここらへんに確かおいしいケーキがあるカフェがあったはずなんだけど·····」
そこでわたしは気づく。
『あの、下野さん······』
「ん?なに?」
『その手に持ってる袋って·····』
下野さんが自分の右手を見る。
そこにはコンビニのものと思われるビニール袋が握られていた。
「あ·····」
下野さんが固まる。
「そういえば、差し入れ持ってきたんだった!別にわざわざカフェに行く必要ないじゃん!」
あ、やっぱり·····?
あたふたとする下野さんが、面白くて可愛くて、思わず笑ってしまった。
「何で笑うの!?」
『すみません』
謝りはするものの、その声はまだ笑いがおさまっていないせいで少し震えた。
「まだ笑ってる!」
『はは、すみません。それで、その中には何が入っているんですか?』
当たり前でしょ?とでも言わんばかりの顔をこちらに向ける。
「何って·····唐揚げ」