第7章 更木の剣八
「いい加減元気だしなよ、一角」
『そ、そうよ!そんなに落ち込むことないって!』
「そうそう!それに、私もあのまま続けてたら多分負けてたし!」
あの後、自分がぼろ負けした相手に年下の、それも女の子が引き分けたことにショックを受けた一角を3人で必死に慰めていた。
「落ち込んでねぇよ……」
明らかに落ち込んでるのに意地を張る一角を見て弓親がはぁとため息をついた。
「もう日も暮れるし、一角はほっといてそろそろ帰った方がいいよ」
『…そ、そうさせてもらおうかしら』
「今日はほんとにありがとう。またどこかで会える機会があれば…」
『ええ!また会いましょう!』
私が即答すると、弓親は嬉しそうに微笑んだ。
『さぁ!じゃあ帰るわよ、蘭!』
「はーい!」
弓親の言葉に甘えて家に帰るべく腰を上げる。
『じゃあ…一角、弓親、またいつか!』
「ああ/おう!」
そう言って私たちは笑顔で別れた。
今日会ったみんなに次は同じ死神として会うことになることをまだこの時は私は知る由(よし)もなかった。