第5章 隠密機動
『はぁ〜……わかりましたよ』
結局こうして私が折れることになるけど
『その代わり、たまには遊びに来て下さいね喜助さん!』
そう言って笑顔を向けると、喜助さんは破顔して嬉しそうに頷いてくれた
「はい♪」
その後は喜助さんと夜一さんを混じえた4人で
たわいもない雑談をして時間を過ごした
特に蘭は隠密機動の瞬歩にいたく感動したらしく、夜一さんに隠密機動の話を聞かせろとせがみまくって最後の方は夜一さんもたじたじだった
楽しい時間はあっという間に過ぎ、
気がつくと雲が夕映えに赤く染まるほど
時間が過ぎていた
「もう日暮れか。時間が過ぎるのは早いもんじゃのう〜」
「そろそろ帰らないとッスね、夜一サン」
「えーもう帰っちゃうのー?」
そろそろお開きの雰囲気の中、蘭な駄々をこね始める
『しょうがないでしょ!死神には明日もお仕事があるんだから!』
「もっとお話いっぱい聞きたかったな〜」
「まあそう言うな、また遊びに来る!その時は一緒に鬼事でもして遊ぼうではないか!」
夜一さんのナイスフォローで蘭の駄々がぴたりと止む
「ホント!?約束だからね!?」
「ああ、約束じゃ!」
『蘭じゃないけど、また遊びに来て下さいね』
指切りをする夜一さんと蘭を横目に喜助さんに声をかける
「もちろんッスよ♪…あ、華サンも寂しいとか思ってます?」
喜助さんが一変してからかい口調になる
『む、別に寂しくないですよー』
ほんとはちょっと寂しいと思ってることを
隠すためにそっぽを向く
「冗談ですってば、華サーン、おーい」
喜助さんがそっぽを向く私の肩をトントンと叩くので仕方なくそっちを向けば、ほっぺにぷにっと喜助さんの指がささった
「引っかかりましたね♪」
幼稚ないたずらに引っかかった恥ずかしさと、いたずらが成功した子どもみたいににやにやと笑う喜助さんに一気に顔が赤くなるのが自分でもわかった
『もうっ!子どもをからかわないでくださいっ!』