第5章 隠密機動
『…というわけです。だから私たちは二人でここに』
「なるほどのぉ…そんなことが…」
夜一さんと浦原さんは私の話をただ黙って聞いてくれた
「しかし、ここと日達とだとかなりの距離がありまスよね?どうして更木に来ようと?」
浦原さんがもっともな質問をしてくる
『…強くなりたかったからです…守るために。ここなら強い人がいっぱいいるって聞いたから』
浦原の問いに小さく、でもはっきりと答える
「私たち将来死神になるの!だから強くなりたいんだー!」
「守るための強さ…その手段としての死神というわけか…」
夜一さんがうんうんと頷く
『死神のほうが便利なこともいっぱいあると思うし…』
「それに、強い人がいっぱいいるしね!」
「なるほどのぉ……そうか…では手合わせでもしてみるか!!?」
少し考えるような素振りを見せたあと、夜一さんがとんでもないことを言い出した
『「「手合わせ(ですか)?」」』
「お主らは二人一組でいいぞ!どうじゃ、喜助!?」
「えぇっ!!私っスか?!」
急に話を振られて動揺する浦原さん
「なんじゃ、嫌というわけか?」
「わ、分かりましたよ…(でも、相手は子どもですよ?)」
夜一さんが凄むと、浦原さんは渋々といった様子で頷いた
「(手加減してやればよかろう…それに…)」
『…?どうしたんですか?』
「いや!なんでもないぞ!」
小声でなにかを話す二人に声をかけると
パッと話をやめてしまった
すると突然
「はーい!私はお姉ちゃんと浦原さんの一対一でいいと思いまーす」
『えぇっ!?蘭?!』
蘭がいきなり手を挙げたかと思うと、
まさかの爆弾を投下
「ん?お主らがそれでいいならいいが…よいか華?」
『私はいいですけど…』
驚きはしたけど、たしかに、まだ戦いを学び始めて日が浅い蘭には護廷の、しかも三席ほどの本物の実力者と戦うのは荷が重いだろう