第5章 隠密機動
華が虚を倒してから3日がたった
戦いでの傷はもうすっかり癒え
今日は休養日ということで
蘭とのんびりの真っ最中なのだが
「ねぇ〜お姉ちゃ〜ん、いつまでやってるの〜?」
そう、私はあの事件の日から暇さえあれば
斬魄刀との対話をしていた
おかげでかなり打ち解けられたと思う
『ふぅ〜……分かった分かった!もう終わり!』
あぐらをかいた膝の上に載せていた刀を下ろす
「いいな〜斬魄刀…私も欲しい〜」
『蘭にはまだ早いです〜
基礎がちゃんと出来てからだよ』
「わかってるよ〜」
ぶぅと拗ねた様子の蘭
基礎ができてからとは言ったものの
実際、蘭はとても筋がよく、
メキメキと上達している
特に鬼道が上手く、既に半分以上の
鬼道が使いこなせるようになっていた
そろそろ実践を経験させてあげたい
ところなのだが、如何せん相手がいない
ずっと私と戦っているのでは
どうしてもクセがついてしまうので
良くない
そんなことをつらつらと考えていた
時だった
«ウオオォォォォォ!!!!»
『「…っ!!」』
今までまったく気配を感じなかったのに
いきなり目の前に現れた一体の虚
「ほ、虚っ!……初めて見た〜」
ズコーッ
『そっ、そんな場合じゃないでしょ!!』
«グルルル»
低い唸り声を出しながらこちらの
出方を伺っている虚は、この間の
虚と違い力は弱そうなので問題は
なさそうだが
蘭に任せてみるのもいいかもしれない
「ねぇ!どうするの?!」
『作戦がある…このまま聞いて……』
完結に作戦の内容を告げる
「………………うん、分かった!」
『じゃあ、行くよっ!!』
その言葉と共に、抜刀し虚に向かう
«ウオォッッ!!»
『こっちだよっ!!』
瞬歩を使い虚の背後に回ると
無防備な背中を切り裂く
«ギェッッ!!»
こちらの攻撃で動きが鈍った虚に
『今だっ!!』
「破道の四『白雷』っ!!!」
ドオォォォン
蘭の放った鬼道は一直線に虚に
向かっていき、激しく音を立てて
直撃した