第58章 嫉妬(AN)
「んっんぅ」
玄関で
靴を履いたままの相葉さんに
キスをされている。
…さっきまでのモヤモヤが
少しずつ、消えていく。
『っはあ、』
突然、唇が離れ、
相葉さんは靴を脱いで俺を置いてリビングへ向かった。
慌てて、そのあとを追いかける。
__
顔を見た反動で
思わず、ちゅーしちゃったけど
おれ、怒ってるんだよ。
キスの途中で思い出して
ニノから離れた。
リビングのソファに座って
俺を追いかけて来たまま、
立っているニノを見据える。
「あの、あいばさ」
『電話。』
「…え?」
『なんで、1回無視したの?電話。
LINEだって返信来ねぇし、
家来いっつっても来ねぇし。』
「……」
『また黙んの?』
「ん、ぅ、だって…」
__
視界が涙で滲んできた。
俺だって、
好きであんなことした訳じゃない。
でも、アイツのこと
親友だとか言う相葉さん見てたら、。
「相葉さん…」
『なに』
「相葉さんは、
俺のこと、
好き…?」
『なんだよ急に。』
「…(泣)」
『はぁ。
好きだよ。そりゃ。
じゃなかったら、こんな時間にわざわざ来ねぇよ。』
あー、なんたって、この人は。
俺も好き。大好き。
だからたまに、怖くなる。不安になる。
『お前も、
好きなんでしょ?俺のこと』
『なのに、
おれは会いたいって思ったから連絡したのに
それを無視するから、怒ってんの。』
「…うん……」
__
なんて。
別に特にそんな怒ってない。ほんとは。
ただ、あまりにもコイツが
あからさまに嫉妬剥き出しだから。
仕事にも支障きたしそうだし、(笑)
まぁ、嫉妬されるってことは
そんだけおれのこと好きってことでしょ?
愛されてんなぁおれ。