第49章 何者?(AN)
相葉さんの脚の間に座って
背中を相葉さんの胸に預けながら
相葉さんが買ってきてくれた菓子パンを食べる。
相葉さんの片手を自分のお腹にまわして
離れないようにギュッと握り締める。
もう、離れないように。
「もうすぐ仕事だから
準備しないと…」
「…ヤダ」
はぁ、と小さくため息をついて
無理矢理立ち上がろうとするから
更に強く腕を掴んだ。
「そろそろ怒るよ?」
「…ねぇ、今日何時に帰ってくる?」
「仕事が終わんのは、
21時とかだったかな。
終わったらすぐ帰ってくるから、ほら離して」
渋々、
腕を離して
立ち上がる。
相葉さんの温もりが、
一瞬にして失われる。
「まぁく、…キスして」
玄関で、靴を履いている相葉さんの
背中に声をかける。
「もうマネージャー下にいるから」
「お願い」
後頭部を掴まれて
深めのキスをされた。
「っはぁ、じゃあね」
「、いってらっしゃい…」
バタン、とドアが閉まった。