第2章 憂鬱
とある体育の時間。
「じゃあ、記録取るから2人組を作って。」
ああ、またペアか。
私のクラスの女子は偶数だけど、
1人不登校の生徒がいるから、奇数になっている。
だから、私は毎回先生に、
「ペアがいないんですが、どうしたらいいですか?」
と、聞かなくちゃならない。
先生はそれに対して、
「どこかに入れてもらって、3人ペアになって」
と言うか、
「先生とやろうか」
と答える。
そして周りが嘲笑う。
[またひとりだよ、あの子。]
[本当だ。ざまあ。]
こんな声も耳に届かないフリをしなくちゃならない。
爆発寸前。
でも、そんなことしたら、先生にまで迷惑がかかる。
先生や家族には心配をかけたくない。
…我慢。
気持ちを落ち着かせる。
私は深呼吸をした。
貴方達にどう思われようと、
私が胸を張って生きていく権利だってあるはず。
と、口から出そうになった。
でも、それが声となって届くことはなかった。
何もできない自分が一番悔しい。
このまま一年を過ごすと思うと、
不安でしょうがない。
こんな中学、さっさと卒業してやるんだから───