第8章 ふくしゅう、しませんか？

「そしたらそんときは、

あたしが一緒にC組に乗り込んでやる！」


と、りおちゃん。


「乗り込むのはオススメしませんが、

自分の気持ちを相手に伝えることは

とても大事なことです。

もしも負けてしまったら、

その時はしっかり相手に思っていることを

伝えに行きましょう。」


先生…。


「はい。」


あ、でも…


「あ、あの…

私、そういうの苦手で、

強く責められると、自分でも何言ってるか

わからなくなっちゃって…」


いつもそうだった。

何か伝えたくても、

相手の一番気に触らない言葉で伝えようとすると、

頭の中がごちゃごちゃになっちゃって、

結局言いたいことが言えなかったり、

途中で遮られたりした。

だから、恐怖心はまだ全然ある。


「相手に伝えるとき、どうやったら

スムーズに伝えられるんでしょうか。」


私は少しだけゆっくりの速さで

先生に聞いた。


「無理にスムーズに話す必要はありません。

南風野さんのペースで話していいんです。

人には人の伝え方があります。

無理して相手に合わせる必要はありませんよ。」





先生のその言葉で、

私の中の何かが溢れ出した。







「先生、ありがとうございます。

あの…早速なんですけど、

私、今すぐ伝えたいです、この気持ち。」