第2章 憂鬱
穂乃花side
[あ、南風野さんだ。]
[私、あの子無理ー!]
[っていうか、あの子のこと好きな人なんているの?]
[やめて、ちょーうける!]
こんな言葉がクラス内で聞こえてくるのは日常茶飯事。
話しかけなくても、向こうが勝手に悪口を言う。
私のことをよく知らない人も、周りからの評判を聞いて悪口を言う。
私は、このクラスで独りぼっち。
ま、その方が楽でいいけど。
女子って何かと面倒。
周りに合わせて空気読んだり、相手によって態度変えたりして。
だから、正直男子と話すほうが断然、楽。
まあ、どうせ、男子とも話さないけどね。
ほんっとうに意味がわからない。
悪口を影でいうくらいなら、正直に言えばいい。
どうせ、そんなことあいつらには無理だろうけど。
まあ、いいか。
あんな奴らに私の価値を決める価値もないし。
あと、一年の辛抱だ。
あと、たった一年で良いんだから…。
自分の気持ちに蓋をして、
ただ、時がたつのをじっと待とう。
それに私は受験生。
勉学に集中すればいい。
私は、私。
それを認めてくれないなら、
私はこのクラスの全てをボイコットする。
そう、これこそ、
私から私が消えた瞬間