第5章 班と座席…。
穂乃花side
「穂乃花ちゃん!大丈夫!?」
ふと顔をあげると、カエデちゃん。
私は、C組での嫌な思い出がフラッシュバックして、
その場にしゃがみこんでしまっていたようだ。
ん…。
しょっぱい。
顔に手をやると水滴の感触。
涙まで流していたんだ。
「急にしゃがみこんじゃうから、びっくりした。
さあ、涙ふいて?」
そう言って、笑顔でハンカチを差し出してくれる。
そんな優しさに感動が止まらず、
余計涙が出てくる。
「う、嬉しかったの…。
皆が、誘ってくれて…笑顔で迎えてくれて、
でも、そんなことされた事ないから、
どうしたらいいのか、わからなくって…。」
カエデちゃんは、私のことを抱きしめながら
よしよし、と撫でてくれた。
殺せんせーは少し困ったような笑顔で
私のことを見守ってくれていた。
ここならもしかしたら、
“私”が戻るかも。
失ってしまった、“私”が ────────