第4章 3年E組、殺せんせー級
渚side
今日は転入生が来るらしい。
…とは言っても、元は本校舎の生徒らしいから、
もしかしたら会ったことがあるかもしれない。
「みなさん、聞いているかもしれませんが、
本日からこのE組に、新しい仲間が増えます。」
殺せんせーが、軽く転入生について説明をした。
皆が、どんな子なんだろうとざわざわし始めた。
「では、南風野さん、どうぞ。」
せんせーがそういうと、教室のドアが静かに開いて、
一人の女の子が入ってきた。
「自己紹介をおねがいします。」
「は、はい…。
今日からE組になりました、元C組の南風野穂乃花です…。」
南風野さん。
初めて見る子だ。
南風野さんは、とても落ち着いた雰囲気だから、
きっと、目立つのが得意じゃないのかも知れない。
自己紹介をしながら笑顔を見せていたけど、
誰とも目を合わせていなかった。
「ということで、みなさん、
仲良くしてくださいね。
えっと席は…じゃあ、カルマ君の隣にしましょう。」
南風野さんは、はい、と小さく返事をして
静かに席についた。
多分これは、クラスの全員が思ったこと。
南風野さんは、心の闇を抱えている。