第6章 だから俺だけをずっと (R18:及川徹)
これで、私たちの物語はおしまい。
愛憎渦巻くこの町で出会い、同じ世界を生きた、夜に従事する私たちのお話。
この世界ではないどこかでは、きっと、新しい物語が始まっている。いまこの瞬間も、きっと。そしてそれは、脈々と受け継がれていくのだろう。
無数にある世界。
無数にある結末。
私たちは、ようやくハッピーエンドに辿りつけたみたい。なんだか、随分と多くの時を生きた気がするけど、気のせいかな。
見て、朝日が昇る。
夜が、終わっていく。
これで私たちの物語はおしまい。
どうしようもなく荒んでて、爛れてて、だけど、何よりも純粋な。
──愛の物語。
【了】
だから(俺たちと)ずっと