第7章 少年期の終わりは時として (R18:日向翔陽)
速度を増した出入はやがて、彼に射精感を募らせる。
「中でいいよね」
翔ちゃんは、たったひと言。
感情の篭っていない声色でそう告げて、深いところに子種を吐き出した。
知っているのだ。
私がピルを飲んでいるということも。そのピルが、バッグのコスメポーチに忍ばせてあるということも、恐らくは。
ビクビクと脈を打つ男塊。
ぬる、と引き抜かれて。
白濁した液が漏れていく。
「……あーあ、なんか冷めた」
まるで汚いモノでも見るかのような、翔ちゃんの目。興醒めだ。温度のない瞳がそう語っている。
「俺、泣かない女に興味ないから」
それが最後の台詞。
彼の、捨て台詞。
私はまた、──捨てられるのね。
「………い……わよ」
「……あ? 何か言った?」
「逃 が さ な い わ よ」
刹那、彼に浮かんだのは怯え。
捨てるの?
ねえ、あなたも私を捨てる?
許さない。
だめよ、絶対に。
「私をお嫁さんにしてくれるのよね?」
そうよね?
そうでしょう?
「──責任とってね、翔ちゃん」
【了】
少年期の終わりは時として