第4章 水仙姫《1》
温もりを感じる前に離れていった唇を追い掛けようとしたら、太股の際どい位置にエルヴィンの手が触れる。
「ひっ…ン」
直接触られた訳ではないのに、暗闇の中で急に触れられるだけでこんなにも違うものなのか。
腰が痙攣して腕で身体を支えていられない。
スプリングを軋ませてベッドに突っ伏す。
「こらこら勝手に疲れたら駄目だ。まだまだこれからが本番だろう?」
くすくすと笑いながらお尻を撫で上げる。
お尻の谷間に指を掛けるような独特の触り方で、ざわざわとした快感が腰を揺らしてしまう。
「あ…あぅ…っんンッ」
声が止まらない。
絶妙な触り方にもっと、もっと、とどんどん淫らな気分になっていく。
快感に耐える為顔の前のシーツを掴んでみても、腰が高く上がって行くのを止められない。
「とても恥ずかしい格好をしているね…」
背中から被さる様にして優しく囁くエルヴィンに腰が疼く。
「や、いやぁ…もう意地悪しないでぇ…」
半分泣きそうになりながら哀願する。
中は入れて欲しくて、欲しくて、きゅうぅっと収縮を繰り返している。
溢れた愛液が下着から太股を伝い、シーツを濡らす。
まだ、まともに触れられてもいないのに、こんなに濡れるのは流石としか言いようがない。
ゆっくりと頭を撫でられて耳にキスされる。
「もう…我慢出来ないかな?」
嬉しそうに入り口の周りを撫でられて、ゆっくりと下着を脱がされた。
敏感な箇所が外気に触れ、ぎゅうっと収縮する。
「──ッ」
やわやわとお尻を揉まれて背がしなる。
最後にツイィ…と指が離れていったと思った瞬間……甘い痺れが走った。
「っきゃあぁっ!」
お尻を甘噛みされたようなのだけれど、声を我慢出来ない刺激で、咬まれる度に全身に耐えきれない快感が走る。
「ひっ…うぁあっ!ゃああんっ!」
与えられる快感に悲鳴の様な嬌声を上げ続けた。
ぐったりと力の抜けた私の背中にひとつキスを落とすとエルヴィンは人差し指と薬指でお尻を開くようにして、中指で入り口をなぞった。
「はぁ…ぅ…んんっ」
期待に中がひくひくと蠢いている。
入り口はぐっしょり濡れているので、くちゅくちゅと卑猥な音を立てている。
───つぷり
唐突に長く美しい指が私の中に飲み込まれていった。