第3章 百日紅の幻想
呼び出しを受けたその夜。
給仕にしては高額すぎる他人には話せない仕事の為、指示された服を着て兵長の部屋へ向かう。
今夜は下着まで用意されていた。
真っ白のひらひらふわふわした下着。
限りなく黒に近い紺色のロングスカート。
白いエプロン。カチューシャ。
言わずと知れたメイドスタイル。
良いご趣味ですね。
扉をノックする。
「入れ」
抑えた声が中から聞こえた。
ドアをあけて入ると正面の椅子に足を組んだリヴァイ兵長様が。(イヤミ)
大変偉そうでごさいます。
室内に入ると頭からつま先まで舐めるように眺めたあと、一言。
「減点だな」
「…はい?」
唐突に失礼な発言。
人にこんな服を着せておきながら言うに事欠いて減点?ふざけないでほしい。
「立ち居振る舞い、言葉遣いどれもなっていやしない」
「………」
「特に着こなしだな。お前からは仕事をする意志が感じられない」
正直 ついていけない。