第2章 アルコール・キッス
大きめに声をあげれば白龍の動きが止まった。
あらたまって白龍と視線を合わせる。
ああ、きょとんとした表情も愛しいな。
「まだちゃんと言ってなかったね、今日はこれを言う為にここに来たのに。
私、白龍のことが好き」
言って、できるだけ優しく微笑んでみた。
やっと言えたとほっとしたのも束の間、目の前の白龍の顔がかっと赤く染まった。
「…白龍?」
おそるおそる聞くと、白龍は俯いて私の上から退いた。
え、なんだろう私なにかまずいことしたかな・・・?
起き上がって俯いたままの彼にもういちど声をかけた。
「白龍、」
「面と向かってちゃんと言われるとこんなにも」
?
「こ、こんなに…う、うれしい…なんて、」
口元を手で覆いながらぽつぽつと出てくる言葉。
「……………」
「流そうとしてしまってすいませんでした」
「……………いま、嬉しいって言った?」
「はい」
「それはつまり」
君も私のことが好きということ?
「そうじゃなかったらあんなことしません」
苦笑いをされた。
でもその頬も嬉しそうに緩んで、赤みがさしている。
私の胸にあったかくてしあわせななにかがこみあげてきた。
「私も、うれしい」
気持ちのままに笑顔を浮かべ、心いっぱいの気持ちをこめて言った。
あなたを好きになれて、あなたもわたしを好いてくれて幸せ、という気持ち。
そうしたら今度は腕をひっぱられ抱きすくめられる。
「そんなかわいい笑顔、反則です」
きっといま白龍の顔見たら真っ赤だろうな。
「じゃあ、この笑顔は白龍だけにあげる」
顔をあげて何か言おうとした彼の言葉は、私がキスとともに飲み込んだ。