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【マギ*】 暁の月桂
第16章 緋色の夢 〔Ⅰ〕
祠の入り口まで足を進めたハイリアは、その中の暗さに驚いて足を止めた。
入り口は、闇のようだった。一寸先がどうなっているのかもわからない。
たいまつでもなければ、入れないように思ったが、ムトの言葉を思い出して気合いを入れ直した。
―― 大丈夫だ、きっと行ける!
ムトたちの思いを、願いを、約束を、無駄にするわけにはいかなかった。
ハイリアが覚悟を決めて、その入り口に一歩足を踏み入れると、なぜか地面を踏む感触はなく、体が吸い込まれていくような感覚がした。
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