第15章 暗夜の再会
なぜかと思って、目をあけると、いつの間にか空を飛翔していた。
誰かに抱え込まれているのがわかって、思わず動き出しそうになったハイリアを、誰かが押さえ込んだ。
「もう少しでございますから、動かないでください」
聞こえてきた声は、人間の低い男のものだというのに、その手は獣のようだった。
よくみれば、男はジュダルも抱え込んでいた。
この男に助け出されたのだろうか。
辿り着いたそこは、大きな赤い絨毯の上だった。
ぼんやりとする視界の中で、ハイリアが目にしたのは練紅玉の姿だった。
── ああ……そうか、紅玉が助けてくれたのか……。
第八皇女である彼女が駆け寄って、声をかけたのを聞きながら、ハイリアは意識を手放した。