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【マギ*】 暁の月桂

第15章 暗夜の再会


巨大な光の玉が、ジュダルへと急激に迫った!

しかし、それはジュダルに当たる手前で大きく形を崩し、ジュダルの防壁魔法の中へ吸い込まれるように、消えてしまった。

その不思議な光景に、ジュダルは目を見開いていたが、すぐにため息をついた。

「……おい、チビ! やめよう! 魔力の撃ち合いは意味がねぇ。ルフの加護があるマギ同士では、マゴイが打ち消しあっちまうみてーだ。こうなったら、魔法で勝負するっきゃねーな! 」

ジュダルの『魔法』という言葉を聞いて、辺りがざわめいた。当然だ、普通の人が魔法を目にする機会なんてほとんどない。

「あー、あー。何もわかってねぇーな! これだから素人の集まりはイヤだよな? なぁ、シンドバッド! 」

にやにやと笑みを浮かべながら、手がだせずに悔しがっているシンを挑発すると、ジュダルは怖じ気づいている人々に目を向けて、わざとらしく言った。

「俺が教えてやるよ、素人ども! マゴイとはなぁ、ルフが生み出す純然たる力! 」

ジュダルがかざす杖先に、再びルフの光が宿った。

「マゴイはそのまま集めて撃っても大した威力はねぇ。さっきみたいに、ちょっと物を壊すだけだけど、魔力を生み出すルフ達に、とある命令を与えると……? 」

ジュダルの杖先に宿ったルフの光が歪み、変化し始める。

真っ白なルフの色が変わり、火花が見えたかと思うと、バチバチと激しい電光を光らせ始めた。

「この通り、雷魔法の完成だぜ!! 」

杖先に宿っていた光は、もはや雷光となっていた。

空に掲げられた、稲妻が走る巨大な光は、うす暗い広場を妖しく照らし出す。

「アラジン! 一応きくが、君は魔法を知っているか! 」

ジュダルの魔法をみて、シンが慌ててアラジンに聞いた。

「ううん」

首を横に振り、答えたアラジンを見て、シンは困惑した表情を浮かべていた。

アラジンが魔法を知らないとは、ハイリアも思いもしなかったことだった。

ルフに愛されている『マギ』は、すべて魔法が使える者だと思っていたからだ。
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