ごめんね、素直じゃなくて【アイナナ】R18*完結*
第1章 亡き母の夢
美樹がアイドルになった理由の1つ。
それは大好きで憧れでもあるTRIGGERと同じステージに立ちたかったから。
特に九条天には憧れと尊敬、そして純粋に好きという気持ちがあるみたい
(要はファン心理よね)
なんであんなに性格の悪い九条天に惚れたんだか……
マネージャーとしても姉としても心配のタネは尽きなくて困る。
美樹は、九条天の本性を知らない。
まあ、当然なんだけど。
私が中学生になってすぐ、歌手になる夢を諦めきれなかったお母さんはアメリカに行く事を決意してお父さんと離婚をした。
詳しくは私も知らないけど、その時の離婚の条件として私を引き取る事が条件だったらしい。
2つ違いの妹の美樹はお父さんが引き取り、私たち姉妹はアメリカと日本で暮らす事になった。
その時に知り合ったのが九条天、そして九条天の養父。
お母さんは私を育てながら、レッスンをして歌手になるべく努力をしていたけど不慮の事故で他界。
息を引き取る間際に「私の夢を叶えて」泣きながら私に言っていた……
お母さんの努力を近くで見ていた私は、お母さんの夢を叶えようとしたけど、すぐに無理ってわかってしまった。
歌手になる、アイドルになるのには努力だけじゃ駄目なんだよ。
持って生まれた天性が必要。
それが私にはない。
でも、美樹は私と違う。
彼女には持って生まれた天性がある。
だから、私は彼女をトップアイドルにしてみせる。