ごめんね、素直じゃなくて【アイナナ】R18*完結*
第1章 亡き母の夢
「みんなー!! 今日はどーもありがとー!!
愛してるよー!!」
ステージ上ではライブのラスト曲を歌い終えた美樹が晴れ晴れとした笑顔をファンの子たちに見せていた。
「よしっ!ライブは大成功!!」
私はガッツポーズを決め、ステージ裏で美樹が戻ってくるのを待っていた。
「もー最高だよ!!」
「お疲れ!」
汗だくになってメイクもとれてしまったけど、キラキラと輝く笑顔の美樹は最高に可愛い。
さすが我が妹。
「アンコール!!アンコール!!」
「アンコール!! アンコール!!」
ステージからはアンコールの催促。
「美樹、いける?」
「ん……もちろん!!」
ペットボトルに入っている水を一口飲むとマイクを握りしめる。
「よしっ!行っておいで!!」
「行ってくるわ!!」
曲のイントロが流れるとステージに向かって駆け出していく美樹の後ろ姿を私は見守っていた。
本当に美樹は、歌うのが好きだよね。
そんな美樹をトップアイドルにするのが、マネージャーである私の仕事。
そしてそれは同時に私たちのお母さんの夢。
アイドルになる事を夢見ていた私たちのお母さん。
夢半ばでアイドルを諦めたお母さんの夢を私と美樹で叶える。
そのためにはどんな努力も惜しまない。