ごめんね、素直じゃなくて【アイナナ】R18*完結*
第3章 過去夢
「さっきの叫び声は何?」
コーヒーを飲みながらスポーツ新聞をチェックしていると挙動不審な様子の美樹がスマホを握りしめてリビングに入ってきた。
「な、なんでもないよ!」
「何を隠してるんだか」
「隠してなんか!!」
「……隠してるよね?」
「っ……」
ちょっと睨むだけで口ごもる美樹は、嘘や隠し事をするのが苦手
(素直で可愛いすぎるだろ)
「こそ……隠し事してたやん」
「……天のこと?」
「そうだよ!私が天の事が好きって知ってるくせに!!」
「知ってるから黙ってた」
「え?」
「天はダメだよ」
「なんで?!」
「性格が悪いから」
「そんな事ないよ! 優しい人だよ。
昨日だって私のダンスや歌い方とか色々と教えてくれたもん」
まあ、それは……
私も不思議だったんだよね。
天は自分以外に興味を示すような奴じゃない。
興味を示すとしたらそれは……
天が認めた相手だけ。
天が美樹をアイドルとして、ライバルとして認めたのか?
それとも……女の子として?
前者ならいいよ、許してあげる。
でも、後者だったら……?
許すわけないよね。
「……顔が鬼みたいになってるよ」