第1章 真田幸村 両ルート恋度MAX特典「相変わらずの二人」
佐助「おはよう、幸村」
会議に出向く幸村の背中に、声が掛かる。
幸村「佐助、昨日は悪かったな。後始末全部押し付けて」
佐助「構わない。それよりなおさんが無事でよかった」
言葉を交わしながら、二人並んで広間へと向かう。
佐助「これで人さらいの騒ぎも解決すれば、城下も平和になるな」
幸村「もう尋問、始まってるのか?」
佐助「ああ。でも・・・さっき覗いてきたんだけど、5人とも白を切っているらしい」
幸村「・・・は?」
佐助「犯罪者とは言え、あの結束力は中々のものだ」
幸村「いや待て、・・・5人?」
佐助「え・・・」
しばし顔を見合わせ、そして二人同時に踵を返す。
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「おじさん、こんにちは」
店主「これはなお様!」
微笑みながら、茶屋の店主に、
「栗団子ください」
そう伝えると、
店主「えっ・・・草餅じゃなくていいんですか?」
心配そうな表情を向けられる。
「あ、その節は、すみませんでした・・・」
なおが頭を下げる。
「今日は朝から幸村が会議で、お茶と一緒に差し入れしようと思って。それと、今日は私も栗団子にします」
店主「では、幸村様と仲直りされたのですね」
心底ほっとした表情で、
店主「まあ、喧嘩するほど仲が良いと言いますが・・・。やはり我々が見たいのは、仲睦まじく寄り添うお二人の姿ですから」
そう言いながら、店主は手際よく栗団子を包み、なおに手渡す。
店主「また幸村様といらしてくださいね」
店を後にすると、城への道を引き返す。
(幸村、喜ぶかな)
彼の嬉しそうな表情を思い浮かべると、自然となおも笑顔になり、足取りも軽くなった。
早く会いたいな・・・