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【イケメン戦国】sequels<R18>

第2章 武田信玄 本編応援キャンペーン「彼の心を狙いうち」


信玄「最後まで送って行けなくてすまないな」


信玄の指がなおの手を緩くなぞり、そっと離れた。


「いいえ、そんな・・・今日は本当に楽しかったです」

信玄「ああ。 またな、なお」


信玄の優しい眼差しに、切なさがより一層募った。


「じゃあ」


小さくお辞儀をして、歩き出す。


(次はいつ会えるかな)


祭りでの信玄の姿が目に焼き付いている。

灯りに照らされた、美しく整った横顔。

なおに向けられる笑顔は、吸い込まれそうな程に魅力的で・・・


(次の約束、したかったかも・・・)


ふと後ろを見ると、


「・・・っ」


信玄はその場に佇んでいた。

振り返ったなおに、小さく手を振っている。


もう一度頭を下げ、再び歩き出す。

一歩、二歩・・・


「・・・ ・・・っ」


振り返れば信玄はやはりそこに居て、目が合うと、ふわりと笑顔を浮かべた。







「あの・・・っ」


信玄の前まで戻ると、


信玄「どうした? 何か忘れたか」


信玄に顔を覗き込まれ、どきりとする。


「お帰りにならないんですか?」

信玄「ああ・・・ いや、最後まで君を見ていたかったから」

「ずっと見られていると、あの・・・」

信玄「後姿も綺麗だったから、つい。 俺のことは気にするな、もう行きなさい」

「いえ、気になりますよ・・・。私も行くので、信玄様も行ってください」


信玄はふっと笑みをこぼし、目を細めると、


信玄「わかった。じゃあ、またな」

「はい、失礼します」



信玄「・・・」

「・・・」




信玄「どうした、行かないのか?」

「信玄様も、行かないじゃないですか」


二人向き合ったまま、いつまでも立ち尽くす。


俯き、けれど背を向けられないなおに、


信玄「早く俺から離れてくれないと、またその手を取ってしまうよ」

「・・・!」


その声にはっと顔を上げれば、予想とは違う、どこか張り詰めたような表情の信玄がいた。


信玄「舞い戻って来た天女を追い返すことはしたくないんだが、君を困らせたくないからね」

「・・・」






なおの手がそっと伸ばされ、信玄の指に触れる。


信玄「・・・」



温かな指が、なおの指に絡まる。






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