第2章 どんなあなたも☆那月
何でだろう。
何で触れられると思い出すのだろう。
自分自身がわからない。
(ちょっと落ち着いて、考えてみよう。)
私は自問自答する事にした。
なぜ那月先輩を避けるの?
ー…砂月先輩を知ってしまったから。
砂月先輩をどう思ってる?
ー…怖い?
何で怖いと思う?
ー…普段の那月先輩と違うから。
じゃあ普段の那月先輩って?
ー…優しくて…一緒にいて楽しくて
…私の大好きな人。
(いつの間に、こんなに好きになったんだろう。)
そっか。なんとなくわかった気がする。
砂月先輩を怖いと思った理由。
それは恐怖じゃなくて、戸惑いだったんだ。
そしてもう一つわかってしまったことがある。
(私、もう那月先輩の後輩のままじゃいや。)
自分の我がままさを思い知りながら、私は那月先輩の元へ走った。