第9章 一緒に…!☆翔
舞「ほら…行って。あなたなら、出来る!」
薄れゆく意識の中、残りの力で伝える。
あなたの幸せを願ってる…
私の目からは一滴の涙が零れた。
翔「…出来ねぇよ。」
そのまま力の入っていない私の体を抱きしめる。
(えっ!?)
体に伝わる温度が私の体も熱くした。
翔「今あいつと戦うってことはお前を失うってことだろっ!お前をおいていくなんて…出来ねぇ。大好きな奴を、たった1人の大切な奴を失って、何がヒーローだよっ!?…ってヒーロー失格だな…!」
勢いにまかせて言ってしまったようで、ポリポリと頬をかく。
そんな翔先輩が愛おしい。
舞「ふふっ。ほんとに…。でもそんな真っ直ぐなあなたも好き…私は大丈夫。好きな人をおいてなんて死ねないわ。…しかも半人前だしね。」
翔「おっ!?言ったな!」
そんなやりとりがくすぐったくて、お互いに笑いあった。