第8章 大きな壁☆真斗
なんの前触れもなくドアが開く音が聞こえた。
真斗「舞?いるか?」
真斗の声が聞こえる。
でも姿が見えない。というか視界には闇しか映らない。
そこで私は初めて自分の目が閉じられていることに気がついた。
でも開けようとしても動かない。
真斗「舞?大丈夫か!?」
床に座っている私を見て驚いた声を上げる。
(大丈夫です。)
声を出そうにも、音が出るどころか間抜けに開いた口は閉じようとしない。
意識ははっきりしているのに…
体は動く気配を見せなかった。
自分の身体が自分の物ではない。
私以外の誰かの物になることだってあるんだ…
急に怖くなった。