第1章 緑間真太郎【R18】
とりあえず千穂のわからないところ(ほぼすべて)を復習し、母が持ってきた紅茶とケーキを食べることとなった。
「千穂は理解力はあるのにどうして授業じゃ理解できないのだよ?」
「えー? だって、真ちゃんと違って先生はどんどん先に進んじゃうでしょ? ノート書いてるうちにわけわかんなくなっちゃうの……」
口いっぱいにケーキを頬張りながら千穂は言う。
「そんなに欲張るから、クリームがついてるのだよ」
俺は千穂の口元についたクリームを指で掬い取る。
「はむんっ♪」
「なっ!?////」
クリームのついた指を千穂が勢いよく加え、舐めとった。
「もったいないもん♪」
無意識であっただろうその行為は、俺の欲望の枷を破壊するには十分すぎる威力だった。