第1章 緑間真太郎【R18】
「そろそろ名前で呼んで欲しいのだよ……」
「えー? 真ちゃんで慣れちゃったし……」
その後、俺たちは付き合うようになった。
何度もキスをし、何度も交わった。
それでも千穂は俺を名前で呼んでくれない。
高校に上がると千穂と同じように俺を「真ちゃん」と呼ぶ奴が現れた。
一度試合で当たったことがあると言っていたが、正直覚えていない。
同学年とはいえ、千穂だけの特別な呼び方を汚されたという嫌悪感の方が勝っていた。
しかし、共にプレーするうちにお互い良きライバルであり、最高の仲間である事を誇りに思うようになった。
「こいつが俺を呼ぶ度にニヤケてしまうのが嫌なのだよ!!」
「真ちゃん俺が呼ぶ度に表情筋プルプルしてんもんね♪」
「た、高尾さん……あんまり真ちゃん苛めないでください!!」
俺を挟んで二人が軽く痴話げんか。
高尾はもちろん冗談で言ってるのだが、千穂は本気だからタチが悪い。
千穂を苛めていいのは俺だけなのだから……。
END.