第2章 壁外調査
あれから馬を走らせ続けたが、巨人の気配が全くといっていいほど、感じない。
それはつまり、初列の方でやつらと戦ってくれている人がいる、ということだ。
すでにどれだけの犠牲者がでただろうか。
「口頭伝達です!!」
右翼側から、男性兵士が馬を走らせてきた。
「右翼索敵壊滅的打撃!!右翼索敵一部機能せず!!以上の伝達を左に回してください!!」
ペトラさんが伝達しに左翼側へと向かった。
そしてそのあとすぐに、ドオオオン、と煙弾の上がる音がした。
『黒の煙弾···。奇行種か。しかも、近い』
すぐそこまで巨人が迫っているということ。
目の前には森。
伝達によると、中列荷馬車護衛班のみ森に侵入せよ、とのこと。
エルヴィン団長は何を考えている?
なぜ、こんなリスクを犯す必要が?