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【鬼灯の冷徹】ダイアード災厄

第12章 エピローグ


それからの事。


意識を取り戻したは良いけど、体中激しい痛みに襲われて



両親はいないし、親戚もいない。

覚悟はしていたけど、独りぼっちでの人生、再スタート。


幸い、事故を起こした加害者の方々は、とても親身に世話をしてくれたので


病院生活には苦労しなかった。
お陰で彼らを憎むこともなかった


痛みで眠れない夜は、あのありえない臨死体験を思い出して夜を過ごした。



でも、その間もちゃんと私、がんばったよ。
骨はあちこち折れてはいたけど、
本を読むくらいは出来たから


入院中、できるだけ本を沢山読んだ。

仏教や、あの世の事を書いた本、
果てにはビジネスマナー、商売の本、
もちろん漢方の本もね。


まともに歩けるようになったのは
それから1年以上経った後の事。

兎に角いろんな種類の本を読んで、知識を身に着けようとした。



あの日神様がくれたヒントのお陰。



それから、退院してからの事。

仕事に就くにはかなり難儀したけど、

地獄で責め苦を受けるよりは全然ましだと思う。


ようやく決まった会社でも、一生懸命に働いて過ごしたよ。



色んな事を見聞きして、
たまには外国へ行ってみたり
こそでいろんな人たちと触れ合って


それでも、どうしても一人ぼっちは寂しくて
どうしようもない日には決まって



玄関の外にそっとほおずきの実が置かれている事、あったね
敢えて誰かは詮索しないけど、とっても励まされた


ほおずきの実を押しのけるように、隣に桃の花が置いてある事もあったね。


それらを大事に取って置いたら、家の中ドライフラワーだらけになっちゃった



さすがに尼さんにはなれないけど、
人として、自分なりに清く生きたつもり。


必死で学んだ漢方のお陰かな?

それとも自分で耕した畑のお陰かな?

随分長生きすることができたよ



最愛のあの人を忘れられなくて、


生涯の伴侶を持たずに寿命が来ちゃった。



独り者の変わったおばあさん、なんて言われながらも
周りは私に良くしてくれたし、気にかけてくれた。


色んな人が、私の最期の為に泣いてくれた


気付いたら、私はもう独りぼっちなんかじゃなかった。
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