第2章 最悪な目覚め
「立てませんか?・・・まァ仕方の無い事でしょう。
相当恐い目に会ったんですからね。
元はといえばこちらの落ち度。申し訳ありません。」
そう言って後ろ向きにしゃがんだと思うと
「さ、私におぶさってください」
えぇ!?
「早くしないと貴方を置いていきますよ」
それは嫌だ!!!
さっき申し訳ないとか言ってなかった!?
「し、失礼します」
おずおずと首に手を回す。
瞬間、ふわりを体が持ち上がり、彼の手が足を掴む。
「少し、走りますよ。落とされないようにしっかりつかまって下さい。それから。先ほどの様な凄惨な光景がしばらく続きますので、目でも瞑っていた方が良いと思います」
もうあんな光景、見たくない。
言われた通りに私は目を瞑った。
体感速度を猛烈に感じながら。
「あぁ、忘れていました。自己紹介です。そのままで良いので聞いていてください。」
「私の名は鬼灯、です。閻魔大王の第一補佐官を務める鬼神です。以後お見知りおきを。」
着物に描かれた、彼の名と同じ「ほおずき」が私の胸のあたりと鬼灯様の背中の温度で熱を帯びていた。
------キリトリ--------
それにしても足、速くない?
若干恐いんですけど。