第6章 錆びた扉の桃源郷 ※R15くらい
「何やってんだよ!お前がしっかりしないから、槐ちゃんマジで危なかったんだぞ!」
鬼灯様を罵倒しながら力を込めて私の肩を抱く。
刹那、鬼灯様がこちらに向かって小石を投げつけた。
寸分の狂いもなく、それは白澤様の顔面に当たる。
肩への力がするりと抜け、私はそのまま自由落下。
あっ、と思う間もなく私の体は地面ではなく、
鬼灯様の腕の中にすぽりと納まった。
すぐ脇に、小石に撃ち落とされた白澤様が若干地面にめり込んでいる。
「ちょっ・・・!槐ちゃんに当たったらどーすんだお前!」
「絶対当たらない自信はありました。槐さん、その恰好どうしたんですか。貴方の代わりに、私がこの白豚へ仇を討ちます」
「違ぇよこの野郎」
「女好きが高じてついに性犯罪に手を・・・」
「まだ言うか!僕は女の子は好きだけど無理やりするのは好きじゃないよ!」
「違うんです鬼灯様。服はこんなだけど、ギリギリのところを白澤様が助けてくれたんです」
「槐さんが言うならまぁ、それでよいです。でも、私が至らない所為で貴方をこんな目にあわせてしまい、申し訳ありません」
目を伏せ心底申し訳ないという表情をする。