第5章 花蟷螂 ※一応R指定
肌蹴た着物をわざとらしく撫でつけながら花蟷螂が囁く
「なんて美味しそうなんでしょうね。こんな素敵な獲物は久々ですよ。さぁ、貴方はどんな味がするんでしょうね?」
にやりと笑うと次の瞬間、男が触れていた着物の肩部分がいきなり朽ちた。
変質してボロボロと剥がれていく布の間から素肌が覗いた。
「ただ脱がせるなんて、風情の無い事はわたくしはキライです。さぁ、もっと抗ってください。・・・諦めた時には善くなっていますよ」
「やっ・・・やだっ・・やめてっ!」
男は手を止めずに、次々と着物を腐食させては剥がしてゆく。
大事な所は敢えて残したまま、脛のあたりや肩、太腿を所々に。
涙が溢れてきた。
それならいっそ魂だけを食べてくれればいいのに・・・
肌蹴た部分に口付け、わざとらしい音を立てながら紅い跡を落とされて行く。
・・・鬼灯様・・・!
心の中で叫んだとき、天蓋の向こうの扉が大きく放たれた。