第4章 一寸先も闇
予想はついていたけど・・・
それでも、考えていたよりも辛すぎる内容だった。
家族で旅行中、対向車線からはみ出た速度超過のトラックが正面衝突。原因はトラックの運転手の居眠り運転。
運転席の父と、助手席の母は即死。
後部座席の私は辛うじて命を取り留めたけれど、私は意識不明の重体。
私の肉体は運び込まれた病院の一室でチューブに繋がれ僅かに生命活動をしている
信じられなかった。
両親とも死んでしまっている事に。
自分だけが生き残ってしまっている事に。
目の前が真っ暗になって、おもわずその場に座り込む。
「お父さん・・・お母さん・・・」
最後に交わした顔はどんなだっけ。
事故の直前、どんな話してたっけ。
あぁ、そうだ。ここはあの世なんだっけ。
ここにいれば会えるんだろうか。
傍に駆け寄ってくれた鬼灯様につぶやいたけど、悲しい答えが返ってくるだけだった。
「残念ですがそれは叶わないでしょう。この閻魔庁まではおよそ49日。最近では亡者の数も増え、もっと時間がかかる事が予測されます。そもそもここに居らっしゃるほどの悪人でない限りはそれより前の裁判で決定するでしょうし。そうなった際の行先までは把握できません」