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びゅーてぃふる ❦ ふれぐらんす【気象系BL】

第1章 かりそめの遊艶楼


❦ 櫻井Side ❦


楼主部屋から櫻の間に行って
話した内容、全てを和也に伝えた

和也はいたく喜んで
感謝してもし切れないと、潤にも同じくらい礼を言いたいと俺に深々頭を下げる


「やめろって、俺達が望んでやったことだ
潤だってそう言うよ…な?」


そう言っても


「上げられません…翔様にはお世話になりっぱなしで…」


って頑なに…
そんなのいいのに、もっと笑顔を見せてほしかったのに…

折角、会いに来たのになって、いじけた小芝いを打ってみると和也の顔がちょっと上がった


「うぉりゃー」

「わっ、あっ!」


それを見逃さなかった俺は、今だと和也の両腕を引いて一気に腕の中に閉じ込めた


「可愛い恋人の顔見ないと帰れないだろ?」


そうぎゅーっと抱き締めると
俺の胸に埋まった和也は黙って、背中に腕を回す


「あーもうたまんねぇなぁ…」


出てる頭に額を擦りつけてたら
痛い!って顔が上がった

無意識に唇を重ねて


「ん…翔…」


笑って、また重ねた


「…近々、楼主から話があるかもな」

「きっと良いお返事をくださると…」

「あぁ…祈ろうか」


和也の為に、ここの子達の為に…

明るいだろう未来を祈って、和也と愛しい時間を過ごした





それから数日して、ついにその時が来る


「…おはよ」

「おはよう、新聞そこよ」

「ん、ありがと」


母さんの指差す新聞を掴んだ

おれの毎朝の習慣
その新聞をパッと開いた瞬間、飛び込んできた記事


"喜多川グループの闇・脱税が発覚 逮捕へ"


俺は思わずガッツポーズをして、朝飯を掻き込んだ


「いってきます!」


外に出ると真っ先に潤へ電話を掛けた


『…ん…もしもし…』

「えっ…もしかして今起きた!?新聞見ろ!新聞!」

『…んぁー…翔くんうるさい
聞こえてるよ…』

「早く起きろって!」

『分かったって』

「早く!」

『あ』

「え?」


電話は通じてるのにそこで会話がストッブした

寝たのか?って疑問を持ちながら車に乗り込んでると


『…翔くん…
今テレビ見てんだけどさ…すっごいことになってる
…えーっと密告に基づき調査
予てより噂されていた脱税の他、洗い出される闇…

翔くん、まだいっぱいあったみたい』


潤からの返事に驚いた
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