第1章 かりそめの遊艶楼
「んっ…ん…」
「和也…」
翔様の手が着物の前を割って
スルリと太腿に伸びる
「愛してる…愛してるよ、和也…」
「翔様…」
愛してる
僕もあなたを愛しています
身も心も
全て翔様のもので御座います故…
身体中に口付けられ
優しく舌を這わせられると
欲しくて欲しくてたまらず
羞恥心など忘れて自ら翔様のズボンのベルトに手をかけた
「和也、言って…?」
「翔様が欲しいっ…」
たった3日会えなかっただけで
こんなにも翔様を欲してしまう
「そんな顔されちゃたまんないよ…」
「どんな顔をしておりますか…?」
「俺のことが
好きで好きでたまらない
欲しくてたまらない、
って顔してるよ?」
「はぁ…心の内があけすけで御座いますね」
クスリと微笑うと
翔様も優しく笑んで僕の頬を撫でる
「俺は…?
俺は、今どんな顔をしてる?」
「今から、妻を全身全霊で愛そうとしている
夫の顔で御座います」
「じゃあ…“様”は、無しな?
“翔”って呼んで…?」
髪を一撫ですると
胸の尖りを舐め上げた
「あぁっ…! 翔っ…!」
「和也…」
身を捩りながらはだけた着物を脱ぎ捨て
翔様のお召し物も夢中で剥ぎ取った
「翔…もっと…
もっと愛して…」
「幾らでも愛してやる
俺でいっぱいにしてやるから…」
いつの間にかローションを纏った指が
蕾にゆっくりと挿入っていく
「はっ、ぁ…ぁ、んんっ…!」
「綺麗だよ…とても綺麗だ」
「翔…翔…! もっと… あぁぁぁっ…!」
増やされていく指に苦痛は無い
もっともっと強い刺激が欲しい
「お願いですっ…も、早う…」
手をそろりと伸ばし
翔様の熱い塊に触れる
「どうした? 今日はヤケに誘うんだな」
「こんな妻はお嫌ですか…?」
「いや、大歓迎だよ」
「では、指を抜いてくださいませ」
片肘を付いて身を起こし
腰をスッと引くと
絡まるように翔様に抱き付き、口付けた
そのまま反転すると
口付けたままで翔様を褥に組み伏せる
唇を離せば
目を丸くした翔様がおかしくて。
「なっ、何だ??」
「翔様を気持ち良くして差し上げたいのです…」
同じ様に
翔様の身体中に口付けて
胸の敏感な部分に舌を這わせた
「ぅっ…」
快感に小さく身じろぐ翔様が
何よりも愛おしくて。