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びゅーてぃふる ❦ ふれぐらんす【気象系BL】

第9章 ❦ SPECIAL THANKS ❦ Vol.2


「何かあったのですか…?」

「どうして…?」

「いえ、何もないなら良いんです」


もしかしたらお疲れなのかも知れない
静かにしていてあげようとそれ以上は口を噤んだ


「ねぇ和也」

「はい、」

「和也は今、幸せ…?」

「幸せです。真に…
智さんは違うのですか?」

「僕も幸せだよ
幸せ過ぎて…怖いくらいだ」

「智さん…?」


智さんが膝の上に乗せているバスケットをギュッと握りしめた
儚くて…今にも壊れてしまいそうで
吸い寄せられるようにそっと手を重ねた


「怖い幸せなんてありません
先の事を思えば不安になったりもするけど…僕は翔さんと出逢った事を後悔していない
不安になったら抱きしめてもらえばいいんです
智さんも…松本さんに沢山抱きしめてもらって
不安なんて吹き飛ばしてしまうくらいに
強く、強く抱きしめてもらってください」


真っ直ぐに見つめると
智さんがふわりと微笑んだ
熱く語ってしまった自分が急に恥ずかしくなる


「そっ…それはそうと
このバスケットの中には何か入っているのですかっ?!」

「…クッキーだよ」

「クッキー!
ちょっと…見てもいいですか?」

「うん、」


白いナフキンを捲ると、美味しそうなクッキーがバスケットいっぱいに並んでいる
手作りのお土産なんて、素敵だ
子供達もきっと喜ぶだろう
皆の笑顔を思い浮かべれば、僕にも自然と笑顔が溢れた
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