第9章 ❦ SPECIAL THANKS ❦ Vol.2
❦和也Side❦
「ごめんっ!」
「申し訳ありませんでしたっ!」
結局、待ち合わせには10分の遅刻。
松本さんと智さんは苦笑いして迎えてくれたけど
事情が事情だけになんとも恥ずかしくて
僕は翔さんの隣りで俯くばかり
「翼のせいだよ! あんなモノ部屋に置いとくから!」
「あんなモノ?」
「プレゼントだから使えって。
なんか身体がえらく熱くなるローションでさ、和也が凄ぇ乱れ…」
「わー! わー! わー!」
お願いだからそれ以上は言わないで!
真っ赤になって翔さんの口を手で覆う僕を見て、お二人はまた苦笑い。
…穴があったら入りたいとはこの事だ
「仲が良くて何よりだね」
微笑む智さんはなんだか少しやつれた気がする
心なしか元気もない様子…
「智さん、」
「…うん?」
「お変わりはありませんか…?」
「僕は元気だよ。和也も元気そうで何より」
…なんとなく、なんとなくだけど
智さんは悲壮感を抱えている様に感じた
松本さんを好きだと気付く少し前の智さんに
戻ってしまわれたような…
僕の気のせいならばいいのだけれど