第9章 ❦ SPECIAL THANKS ❦ Vol.2
「…潤さん、」
「うん?」
「続き、してもいいかな…?」
「もちろん。きっと美味しく焼き上がるよ」
冷蔵庫に寝かせておいてくれた生地はしっとりと纏まっている
それに打ち粉をしながらめん棒で均等に伸ばすと
星やハートの型抜きで丁寧にくり抜いた
「うん、やっぱり上手!」
3歳の子でも出来るような事だと思うのに
僕がやる事を目を細めて嬉しそうに見つめる潤さんが好きだ
「オーブン、温めておくね」
次の作業がし易いようにさり気なくアシストしてくれるその背に向かい
“ありがとう”
と呟いた
ねぇ、潤さん
僕はどう足掻いたって貴方に見合う人間にはなれないけど…それでも
許されるなら…これからもずっと、貴方の側に居たい
貴方の側に居ても…いいですか…?