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びゅーてぃふる ❦ ふれぐらんす【気象系BL】

第9章 ❦ SPECIAL THANKS ❦ Vol.2


❦智Side❦



潤さんが僕に服を着せてくれて
髪も乾かしてくれて。
そして今、包み込むように抱きしめてくれている
何も言わずに
体温を感じさせてくれている


「その櫛、琥珀からのプレゼントだよね?」

「うん…」

「大事にしてるんだ?」

「健ちゃんが…僕の為にって用意してくれたものだから、」

「嬉しかった? それ貰った時」

「嬉しかったよ…」

「同じだよ」

「えっ…?」

「大切な人からの心の込もったプレゼントは嬉しいんだよ
何も心配する事なんて無い
智が一生懸命作ったものなら、きっと皆喜んでくれる
だって智は、皆から愛されてるだろ?」

「僕は… 愛されてる…」


潤さんの言葉が
心の深い処まで染み込んで広がって行く


「智のこの手は、尊いんだ
皆にとっても… 俺にとっても」


左手を取って
指先にそっとキスをした





思い出した
思い出したよ、潤さん





『凄いな、智!』




初めて描いた昌宏さんの似顔絵




『めっちゃ綺麗! ありがとう、さとちゃん!』




帯締めのトンボ玉に細工した、藤の花




『世界一美味しいよ… 愛の味がする…』




此処へ来て、初めて作った不格好なパンケーキに
貴方が涙声でそう言ってくれた事





全部

全部

僕のこの手が作り出したモノだ



僕の


僕の、この手が。
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