第8章 ❦ SPECIAL THANKS ❦
『帰ったら何して欲しい?』
「は…?」
『イイコで待ってたご褒美、やるよ』
チキショー…このタイミングで帝王出してきやがって…!
「上から発言すんなっ…!」
『あっ、ご褒美とか要らない感じ?』
「…っ、」
ただでさえ翔不足だってのに
それを分かってて言うんだからタチが悪い
「ばっかじゃねーの…!」
笑いをこらえてる翔にムカついて毒吐いた
顔が火照ってなんだか熱い
早く帰って来いよ、バカヤロー…
それから30分程で翔は家に帰って来た
きっと飛ばして来たんだろうと思う
「ただいま」
ネクタイを緩めながら
ソファーにもたれ掛かる俺を後ろから抱きしめた
「お帰り…」
久しぶりの感覚にドキドキして
体温が上がって行くのが分かる
「潤、あったかいな。 眠い?」
「…大丈夫」
気付けよ、鈍感。
「待たせてゴメンな」
「いいよ、別に…」
「…実家に行ってたんだ
今日だけじゃない。
ここんとこ、毎日」
「…えっ…、」
首に回された腕がするりと解かれたと思うと
隣りに座り、俺の両手をギュッと握りしめた
「なんで…?」
毎日…?
帰りが遅かったのはそのせい?
でも… あんなに毛嫌いしてたのに、どうして…